
空き蔵を買って餡場にすると決めた私に強面の左官が『この壁はあんたのもんだ』と言い養生で囲った足場の中で土の乾くまで何度も孕まされた話
| タイトル | 空き蔵を買って餡場にすると決めた私に強面の左官が『この壁はあんたのもんだ』と言い養生で囲った足場の中で土の乾くまで何度も孕まされた話 |
|---|---|
| サークル | ヤリモクベイビー |
| ジャンル |
鏝の背に、乾いて固まったままの土がついていた。二日前に塗った壁の土だ。貯めた金のほとんどを使って買った蔵で、直しに来た左官は191cmの大男で、現場では熊が立っていると言われている。乾き具合を確かめに行った夕方、その男は鏝を置いて言った。「この壁はあんたのもんだ」
影山ちづる(27)は、町の外れの空き蔵を一つ買った。餡を炊く場所がほしかったからで、貯めた金のほとんどが土壁の崩れた蔵に消えた。直しに来たのは大隈嵩(38)、十七で鏝を握って二十一年の左官で、191cmの体で立っているだけで現場では熊が立っていると言われる。最初の日、嵩は壁を見ただけで何も言わずに帰った。二日目に荷台から下ろしたのは土と藁と水で、鏝を握ると、土は急かすと割れる、とだけ言った。養生シートで囲った足場の中は昼でも薄暗く、ちづるは餡の番をしながら壁の乾いていく気配を聞いて過ごすようになる。ある夕方、乾き具合を確かめに来たちづるに、嵩は鏝を置いて、この壁はあんたのもんだ、と言った。塗ったのはあなたでしょう、と返すと、塗ったのは俺だが、持っとるのはあんただ、と言う。その言い分が可笑しくて、ちづるは初めて彼の前で笑った。第四章、土が乾き切る前の夜。嵩は襟に触れる手を途中で引いて、次をどうするか訊く。ちづるが首を横に振れば、その場で掌が開く。だから続きを頼むのはちづるの側からになり、用意された言い方では足りなくなって、ちづるは自分で言葉を探して口に出した。多すぎると伝えれば、嵩は数を減らして間を置く。向かい合って膝に乗ったまま、土が乾くまで何度も奥で受け、孕むほど注がれた。朝、壁は白く乾いていて、持ち主がどちらなのかについて、嵩が一言だけ言った。









空き蔵を買って餡場にすると決めた私に強面の左官が『この壁はあんたのもんだ』と言い養生で囲った足場の中で土の乾くまで何度も孕まされた話

